2012年7月19日木曜日

坂田明トリオ 西日本ツアー 2012


<プロローグ>

リーダーアルバムのリリース等が重なって、バタバタとしたまま前日になってしまいました。しかも自転車でレッスンに出かけたら、帰りは雨。4キロほどの道のりを楽器抱えて自転車を押して傘をさして帰ってきました。もうクタクタだけど、旅の準備を何もしていないので、それから取りかかります。なんとか目処が立ってきた明け方、作業机の椅子に座ったまま、うたた寝をしてしまったようです。

30分くらいでしょうか。目が醒めた瞬間に「ヤバイ! またやったか・・・」と思いました。

あれは、3年前の春だったでしょうか? 橈骨神経麻痺に悩まされた2ヶ月間。あの時も椅子に座ったままうたた寝して左手が全く利かなくなったのです。馴染みのない症例名ですが、僕の周りには、けっこうこれで悩まされたミュージシャンが居ます。
簡単に説明すると、神経が圧迫されて、脳からの命令が筋肉に伝わらなくなります。それが長時間続くと、その伝達回路が途絶えてしまうのです。主に肘の外側、ちょっと上のところ。そこを一定時間圧迫すると、この症状が出ます。掌を「グー」に握る方向を「表」とするならば、その「裏」、「パー」に開く方向の筋肉が、手首から先、全て言うことをきかなくなります。

「サタデーナイト・パルシー」「ハネムーン症候群」などと呼ばれたりもします。
週末、もしくはハネムーンの夜、彼女に「愛してるよ」と囁きながら腕枕をしてそのまま朝まで寝てしまい、結果、橈骨神経が一晩、圧迫されて、、、、

僕の場合は2回とも、そういったロマンチックな理由でなく、ただ仕事部屋の作業テーブルに向かう椅子に座ったままうたた寝して、肘掛けのところがちょうど肘上の部分を圧迫して、こういうことになってしまったわけですが・・・・

3年前、初めてこの症状に悩まされた時、最初は「おっと、痺れてるぜ〜〜。とにかく風呂にでも入るか」くらいの気持ちだったのが、ちっとも治らず、数時間経っても、数日経っても、いっこうに治らず、ただただ焦って「あぁ、これで、僕のベーシストとしての人生は、終わったか・・・」と、途方に暮れて酒を煽るばかりだったのですが・・・ 今回は、違います。

圧迫されていた時間や、麻痺の度合いによって、回復までの困難さは異なりますが、必ず治ります。
そして今回は、高々30分。シビレはあるものの、手首、指などが全く反応しないわけではない。明らかに前回よりは、症状が軽いのです。
ただ「前ノリ」とは言え、今日からツアーが始まる、そのタイミングですよ。あぁ〜〜〜〜、どうしよう・・・

前回の麻痺は、最初の2週間、全く左手が反応してくれなくて、3週間目くらいから少しずつ動くようになって、1ヶ月経った頃、さすがに「これ以上、仕事を休めないぞ」って、無理矢理演奏し始めて、そしたら急に回復のスピードが速まって。。。

そう、一度経験しているので、わかっているのです。
悩んでいても、ちっとも治らなくて、この麻痺は、使ってやった方が治りが早い。しかも、僕の場合、それは楽器を演奏すること。

とにかく、諦めないこと。
最悪でも仕事として、メンバー、関係者の方々に迷惑をかけないよう、でも、どんな状態になろうとも、諦めず、音楽をやること。
万全の準備をしていくこと。

うたた寝してしまうくらい眠かったのに、麻痺を自覚してからは、脳味噌フル回転で、今、自分に与えられた限られた時間の中で準備できる可能なことを全てやります。ツアーは、僕の車に3人乗って、2週間弱。今からトラをたてることも不可能です。
何が何でも、やるしかない!!!

そして、坂田親分と黒田お姉さまにメールをします。「申し訳ありません! また、やっちまいました・・・ ドンバとして、自己管理に落ち度が、ありすぎです。でも、なんとかできるところまで、死ぬ気でやりますので、よろしくお願いします!!!」




<初日:移動日(東京 → 大津)>

お昼過ぎ、黒田お姉さまの家に集合して、荷物を積み替えます。
親分にも、お姉さまにも、まことに面目ない。明日のステージで、もしかしたら僕はプレーヤーとして全く使い物にならないかもしれない。
物を握ることは出来るものの、手首が言うこときかないので、荷物の積み卸しもままならないのですが、せめてこれくらいやらないと申し訳ない。僕の車から、よけいな機材をおろし、お姉さまの家の駐車場に駐めさせてもらう親分の車に積み込みます。そして、3人分の楽器やスーツケース、物販用のCDなどを満載にして、ぎりぎり3人乗れるスペースを確保。
まぁ、これは、このバンドのツアーの度に毎日やってきたことなので、目をつぶっても出来る。手さえいうことをきけばですが・・・

大汗かいて積み込みを終え、出発します。
運転しながらも、とにかくリハビリなのです。

ピアノを弾くように4本の指をハンドルの上に乗せ、親指は反対側に。指のつけのの関節を動かして持ち上げる。この動作が弦楽器を弾く時に重要なポイントです。3年前の麻痺では、全ての指が脳からの信号に無反応で、うんともすんとも言わず、2週間くらいその状態が続きましたが、今回は、圧迫された時間が短かったせいか、少しマシです。人差し指と小指は、なんとか動きます。薬指がほんの少し、中指がごく僅か、動く程度。

それから手首です。「うらめしや〜〜〜」の状態から奈良の大仏の右手のように掌を見せる方向へ、その筋肉が動いてくれません。3年前は、全く動かない状態が3週間ほど続いたのですが、今回は、この動きをサポートする神経が全て麻痺しているわけでなく、幾つかは反応しているみたいで、朝から必死のリハビリで、なんとか持ち上げることが出来るようになってきました。本来働くべきところが動いていなくて、その周りの筋肉がサポートしているため、ペットボトルを持ち上げるだけでも手がプルプル、それだけで筋肉痛の状態。
ただ、物を握る動作をした時、それを反対側で支えているのがこの筋肉なので、ここがちゃんと機能しないと左手で何かを握ると、猫パンチのように手首が内側へくるりと巻き込んでしまいます。これだと、ベースのネックを握っても音が出ない。

さらに「前へ ならえ!」のように手を突き出し、掌を上方向に傾ける筋肉。これが、一番の難関です。前回の麻痺でも最後までココが言うことをきかなかったのです。楽器を握って、音程が高い方へのポジション移動、エレクトリックベースなら左腕を奏者から観て左から右へ、コントラバスなら上から下へ、動かす動作は、なんとかできるのです。その反対方向への動作には、この手首の筋肉が重要な働きをします。
ある程度麻痺が治ってきても、この筋肉が働いてくれないと、下降形のフレーズは全滅です。「ドレミファソラシド〜、ドッピッパッポッパビッベッボっ・・・」みたいな感じ・・・

前回の経験から、これらの筋肉(神経)は、ただ回復を待っていても治りません。とにかく使ってやることで、断線した部分を繋げてやらなければならないのです。諦めずに脳からの信号を送り続けることが、一番のリハビリになることを経験で知っています。そして、これは必ず治る。必ず治るのだから、そのスピードを上げる努力をしなければならない。

途中で親分に運転を代わってもらったら、助手席で、今度は両手を使って、右手をお手本にしながら、それと同じ動きが左手で出来るように、1セット100回。筋肉が悲鳴を上げるまで繰り返し、マッサージ。それを何度も何度も繰り返します。

夕方、大津のホテルに到着したら、持ってきた楽器を全て部屋におろし、まずコントラバスを握ってみます。
今朝方、試しに握ってみた時よりも多少音が出るようになっていましたが、これでは明日のステージに耐えうる状態ではない。

普段メインで使っているフェンダーのジャズベース(63年)のフレットレス。ポジション移動が、全く思い通りにいかないので、ピッチが悲惨な状態です。でも、フレットレスは弦高が低いので、弦を押さえる動作にほとんど力が入らないため、その部分は楽です。

もう一本のフェンダー・ジャズベース(72年)フレッテッド。フレットレスよりは、押さえるのに苦労しますが、まぁ、最も音楽的に演奏出来そうか。しかし、この楽器は、坂田トリオの音楽には、あまり向いていない・・・最悪これしか弾けない時のために持ってきたもの。可能なら、明日のステージは、コントラバスで立ちたい。不可能なら、5曲中の3〜4曲。。。

明日は、ココで行われている「ASLO」(先進陸水海洋学会)で、ミジンコについてゲスト講演する坂田親分の話の後、1時間ほどトリオでの演奏。シンポジウムの参加者は、1000〜2000人とのこと。その人達の前で、下手な演奏は出来ません。明日までに、なんとかしたい。

僕らを招いてくださったB先生と会食に出かけます。知る人ぞ知る穴場的な居酒屋さんで、美味しいお魚を沢山いただきながら、親分とB先生は、もっぱらミジンコの話。専門書をめくって、資料を広げ、iPad で動画を見て、、、専門用語が飛び交って、僕とお姉さまには、何のことだかサッパリ。でも、二人とも子供のような顔をして、本当に楽しそうに話しています。そんな様子をにこやかに見守りながら静かに食べるお姉さま。僕も普段は、楽しくお酒を呑んでいるところだけど、今日は、それどころじゃないのです。テーブルの下でもずっと手首の運動。そして、明日のことを思って、ただただ怖くて怖くて・・・

会食を終えてホテルに戻ると、即座にコントラバスを握ってみます。さっきよりも少しは良いか。もう深夜なので、これ以上音は出せません。フレットレスを抱えて、とにかく練習をします。全ての動作が初心者のようです。また、ここから始めるのか・・・
違うところは、身体が理想の形を覚えていると言うこと。そして、3年前に同じ経験をしていること。今回は、それをどれだけのスピードで達成するかです。集中して練習して、エレクトリックベースにおいては、かなり自由がきくようになってきました。

気がつくと朝。。。
湯船にゆっくり浸かって、ベッドに入り、少し仮眠をとります、筋肉も休めなければなりません。





<二日目:大津>

数時間の仮眠。ビュッフェで朝食をとったら、すぐに部屋に戻って、コントラバスを弾きます。
今日やるであろう曲を弾いてみます。なんとか出来るか。ただギリギリ「弾ける」って感じだな。前回の経験で、多少無茶でも本番を繰り返すといつの間にか治っていたのです。それも知っているんだけど、ステージ上でお客さんにリハビリを見せるような情けない真似はしたくない。メンバー以外には、誰にも事情を説明していない。手の状態が100%でなかったとしても、演奏出来るフレーズが限られていようと、なにがなんでも「音楽」を奏でてみせる。麻痺を言い訳になんかしたくない。

集合時間。コントラバスと、もしもの時の保険としてフレットレス・ベースも持って、会場へ向かいます。まだ、どちらで演奏しようか、迷っています。

ステージ上にセッティングして、リハーサル。
親分が、今日の演目を工夫してくれたのと、お姉さまも優しくサポートしてくれるので、思ったよりも楽に演奏出来ました。なによりも信頼できる共演者と一緒にステージに立てることの喜びが、手を動かしてくれたのかもしれません。涙が出そうです。
このバンドは、テーマをやったら即興部分はまたくのフリーになる展開が多く、絶対に弾かなければならないリフやメロディーはほとんどないのが、不幸中の幸いでした。弾けないなりに工夫しながらボトムを支えつつ、二人の巨匠とアンサンブル、そして何が飛び出すかわからない即興を楽しむ。あぁ、今日は音楽が出来る。

今日は曲数が少なく、演奏時間も短いので、なんとかコントラバスだけで行けそうです。
本番前に筋力は温存した方が良いだろうという判断の下、楽屋に戻ると、ひたすらエレクトリックベースの練習をします。これだけでも、細かい指の動きを回復するトレーニングには、なります。

楽屋のモニターに映し出されたステージ上のシンポジウムでは、綺麗な琵琶湖を取り戻すため、どんなことが必要か、環境問題に特化した講演が続きます。
同じ時刻、この琵琶湖ホール前の公園からは「脱原発」のデモ行進が出発していくのが、楽屋まできこえてきます。何もなければ、そのデモに短時間でも参加しようと思って、調べてきていたのですが、今日は、やっぱり、演奏のことに集中しなければなりません。

そして、いよいよ本番。
数カ所、軽い事故は起きましたが、それでも楽しく演奏することが出来ました。左手は、麻痺している部分を他の筋肉がサポートしようとフル稼働しているため、普段使わない部分がパンパンに腫れていますが、なによりも「音楽」を出来たことが嬉しく、ホッと胸を撫で下ろします。

終演後、小腹が空いたので、琵琶湖に面したカフェにて、一人打ち上げ。



2日ほど、ほとんど寝ていないため、今日は、もう無理です。夕方からの懇親パーティーに一瞬だけ顔を出したら、ホテルに戻り、大浴場にゆっくり浸かって、ベッドに入ったらすぐに寝てしまいました。




<三日目:移動日(大津 → 京都)>

10時間はゆっくり寝ました。朝からホテルの大浴場へ行って、のんびり露天風呂。筋肉痛の左腕をもみほぐします。
昨日食べた朝食バイキングはイマイチだったので、今朝はもう一つの和食の方を予約して食べに行きました。美味しかった☆ 同じ値段の同じ朝食券でこんなに差があるとは・・・

昨晩、学会に参加した先生方と遅くまで飲んでいたらしい親分が集合時間に現れないので、お姉さまとロビーで珈琲を飲みながら待ちます。
まぁ、今日はオフ。京都へ行って泊まるだけですから、そんなに急ぐ必要はありません。

大津から京都までは、すぐ近く。途中、比叡山に寄って、延暦寺を見学。








◇延暦寺の鐘をつく親分とお姉さまの動画
http://www.facebook.com/photo.php?v=3501698262726
http://www.facebook.com/photo.php?v=3501757544208

京都では、親分の古いお友達 Kさんが、とっても美味しい居酒屋さんに連れて行ってくださいました。




今回のツアー、京都には遊びに来ただけ。K女史にサポートしていただく仕事がないこともあって、親分が僕の手の故障について話してしまいました。

「それは、プロとして… 体調管理をしっかりとしなければ!」

はい、おっしゃるとおり。返す言葉もありません。面目ない・・・
でも、今回はお酒を呑んでいたわけでもなく、あまりに疲れていて一瞬、椅子でうたた寝をしてしまっただけなのです。
まぁ、自業自得なわけですが、、、あぁ、もうほんとに・・・俺って、学ばない、馬鹿・・・

微酔いでホテルに戻り、エレクトリックベースの練習。
まだ完全ではないけれど、ずいぶん動くようになってきました。




<四日目:神戸>

エアコンはつけずに寝たのですが、朝、息苦しくて目が醒めました。空気が薄〜〜い!
何度かうなされて目が醒める度に「また麻痺していたらどうしよう」と、左手を動かしてみます。そして安心して、また寝るという繰り返し。

京都から神戸へ。今日から三連チャンにつき、鰻で暑気払い!


車で長い旅をしていると、「あれは、覆面パトカーだな」とか、どこに自動速度取締り機があるかとか、勘でわかるようになります。このトリオのツアー、高速道路で速度取締り機を見つけると、十分に減速した上でカメラに向かってピースサインをしながら通過するのが恒例になっています。
出発した初日は、そのピースをするのも気合いを入れて「やっと」だったのです。それもリハビリのつもりで、無理して左手でやっていました。でも、もうグッと力を入れなくてもピースサインが出来るようになりました。
手首を持ち上げる筋肉、おそらくまだ全てが動いていなくて、他のところが補っているのでしょう。腕の外側が軽い筋肉痛です。それを解してやりながら運転を続けます。

神戸に到着。MOKUBA'S TAVERN で機材をおろして、美味しい珈琲をいただきながらセッティングとリハーサル。まだ、本番まで時間があるので自由行動です。
今回、僕は、数年前に買った「Magicool」を熱中症対策用に、先日ギラに教わってすぐにネットで買ってしまった「ReFa」をリハビリの補助用に、持ってきて、車の中で使い勝手を説明したところ、親分もお姉さまもすっかり気に入ってしまって、神戸でさっそくハンズへ。え〜〜、買っちゃったんですか?・・・

◇MAGICOOL
http://www.magicool.jp/

◇ReFa
http://mtg.gr.jp/products/beauty/product/refa_exe/index.html





僕は、生田神社にお参りして、左手の一刻も早い回復を祈願。
そして、ぶらぶら歩いていて見つけたカレー屋さんに飛び込みで入ります。これが、美味しかった!!!

◇ネットワークで作る美味いお店地図(神戸編)
http://hiroaki-mizutani.blogspot.jp/2012/07/blog-post_11.html?spref=tw

今回のツアーでは、2公演目となる今晩。
大津では、1時間弱の1セットだったので、2セット、フルでのステージは、麻痺後に初めてです。
最後まで出来るのか? 敢えて、押さえのエレクトリックベースはセットせず、ウッドベースのみでやりきる覚悟です。

音程が下がる方向、物理的には上方向へのポジション移動は、まだ完璧ではありませんが、本番中に気合いで弾いているうちに、徐々にその動きもスムーズになってきました。
なによりも大切なのは、音楽をすること。音数が少なくても、表現したいことは、伝えられるはず。逆にこれまで自分がどれだけ無駄な音を弾いてきたか、反省してしまうくらい。本当に弾きたい音を、注意深く丁寧に。

麻痺を言い訳にはしない。しっかりと音楽をやる。

心に決めて、最後までやりました。

店での打ち上げの後、友人に電話で教わったお好み焼き屋さんへ、親分と二人で。

しっかし、左腕の筋肉という筋肉が悲鳴を上げています。肉体的にも精神的にもクタクタですが、お風呂に入ってマッサージして、でもやっぱり心配なので、さすがにホテルで夜中にウッドは弾けないから、エレクトリックベースを少し練習。





<五日目:徳島>

MOKUBA'S TAVERN にて、マスターが作ってくれたサンドイッチをいただいて、機材を車に積み込み、出発。
明石大橋を渡り、淡路島を抜けて、鳴門大橋を渡り、四国に上陸。徳島県 北島町の創生ホールに到着すると、搬入口に こんな張り紙が


スタッフが迎えてくれて、早々にセッティング。リハサールが始まります。

おそるおそる、コントラバスを握ってみる。やはり思うようには力が入りません。昨日の朝の状態まで戻ってしまったかのよう。
でも、親分、お姉さまと一緒に曲を演奏し始めると、なぜか動き出すんですよね。音楽をやろうという気持ちが、手を動かしてくれる。

僕の楽器は、他のジャズプレイヤーよりも弦高を高くセッティングしてあって、楽器の調整自体も弦の振動が直に指にかえってくるようなセッティングにしているため、ライブが続くと指先が打ち身のような火傷のような状態になってしまうのですが、この3ヶ月くらいで、奏法を少し変えて、より力を抜いて演奏出来るようになり、指先の摩耗も少なくなっていました。
でも、麻痺してからは、それどころじゃなく、とにかく音を出さなきゃならないので、奏法は逆戻り。これから少しずつまた戻していかなければなりませんね。で、昨日の演奏の結果、やはり指先が摩耗して、かなり痛い状態。リハーサルの後、コンビニへ行って氷を買ってきて、ひたすら冷やします。明日がオフなら、そこまでしなくてもなんとか乗り切れそうですが、明日も演奏なので、少しでも冷やしておいてあげないと・・・
今日は、細かい練習を諦めて、ひたすら指先のメンテナンスです。

そして、本番。
左手は、昨日よりもスムーズに動いてくれます。
100% ではないけれど、だいぶん戻ってきた実感。ちょっと安心しました。
さて、今度は、きちっと奏法を戻さないと。。。

打ち上げ後、ホテルに戻り、また指先を冷やします。
今晩は、エレクトリックベースも握れないか。早めに寝てしまおう。





<六日目:岡山>

徳島のホテルをチェックアウトしたら、名麺堂へ。釜玉うどん、美味い!!!


昨晩、しっかりとアイシングしてメンテナンスしたおかげで、指先の状態も良い。
車は香川県を抜けて、瀬戸大橋を渡ります。




瀬戸大橋 与島SAにて、冷やしぶっかけうどん(290円)
美味い!!!

無事、岡山のホテルに到着、しかし暑い・・・
シャワーを浴びたら、エレクトリックベースを少し練習して、左手のリハビリ。

夕方、すぐ近くの 蔭涼寺 へ。ここの本堂が今日の演奏会場です。
ここでは、太田朱美ちゃんも何度か演奏したことがあるとのこと。そして何やらビンテージのマイクとか、ミキサーとか、スピーカーとか揃えてオーディオに詳しい住職は、トーンマイスターの三住さんとも交流があるという。これもご縁ですね〜〜〜

調律師さん、住職ともいろいろ相談して、ピアノの位置などセッティングを若干変更して、サウンドも決まり、かなりイイ感じです。隣の大広間を駆け回る寺の子供達と遊びながら、本番までくつろぎます。

けっこう直前に決まったライブにもかかわらず、沢山のお客さんが集まってくださって、今日もおもいっきり演奏しました。
左手の状態は、80% くらいまで戻ってきたかな? 逆に必要な音、自分が表現したい音を厳選して弾いているので、今までどれだけ無駄な音を弾いていたか、再確認したりしています。これも、修行と考えれば、前向きな気持ちで臨むことも出来るか・・・

打ち上げは、各種の焼酎が揃った、ちょっとオシャレな居酒屋さんで。美味しいものを沢山ご馳走になりました。





<七日目:移動日(岡山 → 松江)>

昨晩の打ち上げで沢山いただいたのと、チェックアウトが正午だったので、ホテルの朝食はキャンセル。
それでも、早く目が醒めた僕は、シャワーを浴びてから、少し練習しようと思ったのだけれど、さすがに疲れが溜まってきたのか、楽器を抱えてベッドに座ったところで意識不明の二度寝・・・ 12時過ぎ、フロントからの電話で起こされます。

慌てて荷物をまとめて、ロビーへ。
昨日は、蔭涼寺に機材と車を置きっぱなしにさせてもらったので、3人でキャスターバッグを転がしながら、猛暑の中、5分くらい歩きます。
機材を車に積み込んで、本堂で珈琲などをいただきつつ、近くに「水谷」という蕎麦屋を見つけたので、これは食べてみたい! 「ここは、美味しいですか?」と住職に尋ねたら「うちにも昨日打った蕎麦がありますから、湯がきましょうか?」で、思いがけずお蕎麦をご馳走になってしまいました。


さて、そろそろ出発。松江を目指して走ります。
途中、高速道路が大雨で通行止めになった区間などあり、ちょっと手こずりましたが、結果、予定より少し早く松江のホテルに到着。
今朝、二度寝して練習できなかったので、そうそうに楽器をとりだして、少しだけ練習。


今回の松江公演は、群言堂の代表 松場大吉さんがセッティングしてくださったもの。夜は「くれたけ」というお寿司屋さんに連れて行っていただいて、本当に美味しいお寿司をご馳走になりました。ありがとうございます!

◇呉竹寿司
http://tabelog.com/shimane/A3201/A320101/32000331/

それから、松江の街をブラブラ。今回の松江公演にあたって、お世話になったジャズ喫茶「常乃家」さんへ、ご挨拶に。
蔵を改造した、とってもお洒落なお店。昼はカフェとして、夜はバーとして営業しているそうです。お勧め!!!

◇常乃家
http://www.tsunenoya.com/


ホテルに戻って、3階の大浴場へ行ってみると、ロビーにこんなコーナーが!!
お風呂上がりにおでんとかラーメンとか、食べながら、生ビールとか、日本酒とか、飲めちゃうんです。
僕も、大きなお風呂に使った後、生ビール!!!

今回のツアー、同じホテルに連泊は、最初の大津と、ここ 松江だけなんですね。よって洗濯できるのは、今晩しかないのです。
本館1階のランドリーコーナーへ行くと、親分に遭遇。隣のコンビニで冷酒を買ってきて、杯を交わしながら洗濯・・・

さぁ、今日は、明日に備えて寝てしまいましょう。ツアーも後半にさしかかり、かなり疲れてきました。そして、僕にとっては怒濤の5日間が始まります。






<八日目:松江>

今日から、怒濤の5連ちゃんなのです。今日は松江、明日は福山港特設ステージ。そして僕だけ坂田3ツアーから離脱して、東京へ戻り「Do JAZZ! Seznoku 2012」。翌日(火)再びツアーに合流して、兵庫県 篠山城大書院、水曜日 名古屋 Lovely と続きます。
特に東京へ一度戻る日は、朝が早いので、いまから早起きの習慣をつけておかないと・・・

ホテルの朝ご飯を食べて、部屋に戻り、少し練習。
最近はまっているリズムトレーニングがあって、これは同時に左手の基礎的なトレーニングにもなります。なによりも今やっていて一番楽しい練習なので、気がつくと何時間も経っていて、結果、左手も少し動くようになっている。橈骨神経麻痺の最後の難関、手首を親指方向に曲げる筋肉も、かなり自由がきくようになってきました。エレクトリックベースでこのポジション移動を練習した後、コントラバスを握ると、上方向へのポジション移動が、かなり楽になります。

少し仮眠をとって、小腹が空いたので、ホテルの裏に見つけた蕎麦屋さんへ。



店員のオネェさんお勧め、割子そば。ちょっとコシに欠けますが、そこそこ美味しい出雲そば。

シャワーを浴びて、今日の演奏会場「メイビー」というライブハウスへ。
ここでもセッティングで、いろいろと試行錯誤。細かく楽器の配置を動かしながら、なんとか音がまとまってきました。

サウンドチェックの後、本番まで少し時間があったので、近くの蕎麦屋さんへ。



向こうのテーブルに5人連れの男女。「坂田明」とか「黒田京子」とかいう声が聞こえてくる。あぁ、今日ライブに来てくれる人達なんだな。

「なに? ゆうこりん、予習してきてないの?」「YouTube とか、あるでしょ?!」「だって、先入観がない方が良いと思って・・・」「今日のはね、なんんていうか・・・」「ゆうこりんには、ちょっとキツイかもしれないよ」「そうなの?」「ところで、黒田京子ていうピアノは、さ・・・」

ものすごく、居づらいんですけど・・・
思わず、席の仕切りのパー手ションに隠れちゃったじゃないですか。

本番が始まって、ステージに立つと、その彼等がちょうどベースの真ん前。皆で指さして「あぁ〜〜〜っ!!!」って言ってる・・・
しかも、昨日ご挨拶にうかがった「常乃家」のマスターのお知り合い?・・・・

そんなこんな。。。
でも今日は、左手の麻痺のこと、ほとんど考えずに演奏することが出来ました。

打ち上げは、今日の演奏会場「メイビー」の元オーナーがやっているというスナックへ。群言堂で酵母の研究をしているという中国人女性、今回のコンサートを仕切ってくれた新人Rくん。他、ディープな打ち上げとなりました。





<九日目:福山>

この2日間は早起きの習慣をつけようと、朝早くホテルの朝食を食べに行ったのですが、今日はさすがにツアーの疲れがピークです。


部屋に戻ったらそのままベッドに倒れ込み、もう一度寝てしまいました。で、お姉さまからの電話で起こされて、慌てて荷造りしてロビーへ。

一昨日走った岡山からの道のり戻り、そこから福山を目指します。
今日の演奏会場は、埠頭の特設ステージです。この猛暑の中、大丈夫なのか? メンバー一同、熱中症対策です。

福山のホテルに着くと、林泉(親分が所属する事務所)の社長 渡辺さんが迎えてくれました。本日の段取りについて説明をうけ、少し時間があるので、親分と一緒にホテル地下の中華料理店へ。

しかし、この店のユニフォーム。チャイナドレスの両脇が割れすぎです(ほぼ腰まで)。お姉さん達の足に見とれて注文を失敗。冷麺は激マズ(具だけ食べて、麺を全て残しちゃいました)。親分の頼んだ五目あんかけ炒飯は、美味しかったです(親分が少し分けてくれた・・・)。








福山港に到着すると、海王丸が、帆を上げています。人力なのね!

本日の音響をオペレートしてくれる新居さんと合流。
港を挙げてのイベントなので、あちこちで大きな音がしている中、サウンドチェック。しかし、暑い!!!!
模擬店のかき氷を3つも食べちゃいました。

夕方日が傾いてきた頃、僕らのステージが始まります。
これはすでに左手の麻痺とか、そういう問題でなく、あまりの暑さに途中一瞬、意識が遠くなりました。

無料のイベントなので、お客さんにも様々な方がいらっしゃいます。おそらく海王丸を撮影に来たであろうアマチュアカメラマンらしきオジサン。その立派なカメラを構えてズカズカと客席中央に入ってきたかと思ったら、僕らの目の前でこっちに向けてものすごいフラッシュをバチバチバチィ〜〜〜〜って・・・ 無理です。意識朦朧とする中、気合いを入れ直して、これから即興に集中しようとしていたところ、頭の中が真っ白になっちゃいました。すいません、修行が足りません。でも、やっぱり、あのオジサンの無神経さは、許せないな!

まぁ、いろいろありましたが、なんとか無事ステージを終え、片付けてホテルに戻ります。とにかくシャワーを浴び、メンバーと渡辺社長、新居さんの5人で、福山の街へ。
連休のど真ん中、あまり開いている店がありません。親分が店探しを諦めて「よし、水谷!」と促します。こういう知らない街で嗅覚だけを頼りに美味しそうな店を探すの、僕の役割なんですよね。いつも。
で、なんとなく入った店。これがかなりのアタリでした!(ほっ・・・)
しかも、快慶がものすごく安かったな〜〜。

明日、僕は一度ツアーを離脱して、東京へ戻ります。朝早い新幹線なので、今日はとっとと寝ます。おやすみなさい。





<十日目:洗足学園>

朝5時半、渡辺社長にモーニングコールをいただいて起床。荷造りをして、スーツケースを車に積み込み、エレクトリックベースだけを抱えて、福山駅から新幹線に乗り込みます。

おそらく、代々木公園で行われる脱原発集会に参加するのでしょう。車内で「原発 0(ゼロ)に!」というプラカードを作りながら和気藹々、乗っている家族連れが居ました。後で聞いたら今日の集会は17万人、集まったんですってね!!!

朝6時台、ホテルの朝食も間に合わないし、駅弁も売ってません。寝るしかないですね。
大阪を過ぎた辺りで、車内販売がやってきたので、ようやく朝ご飯にありつくことが出来ました。


大阪〜東京 間は、新幹線の中でインターネットに WiFi 接続が可能です。MacBook Air でちょっと仕事をしながら、気がつけば新横浜。市営地下鉄と半蔵門線を乗り継いで溝の口へ。

今日は、Do JAZZ! Seznoku 2012 という、洗足学園内にあるホールで行われるコンサートに出演します。
出演者は、

中村 誠一(T.Sx.客員教授) 多田 誠司(A.Sx.講師) 原 朋直(Tp.准教授) 松本 治(Tb.講師) 村田 陽一(Tb.講師) 天野 清継(Gt.講師) 布川 俊樹(Gt.講師) 片倉 真由子(Pf.講師) 元岡 一英(Pf.講師) 納 浩一(Bs.講師) 水谷 浩章(Bs.講師) 大坂 昌彦(Dr.客員教授) 松山 修(Dr.講師) 香取 良彦(Vib.教授) CHAKA(Vo.講師) Geilla Zilkha(Vo.講師)

という、ジャズコースの錚々たる講師陣。

午前中から集合して、分刻みのタイムテーブルでリハーサル、サウンドチェックをこなしていきます。
少しだけ空き時間があったので、レッスン室で涼みながら弦の張り替えと、ちょっと練習。
そしたら、ホワイトボードにハチさんからのメッセージが・・・



たしかに その通り なのですが、このサイズのケースって、なかなかないんですよね。。。

そして本番。
久々に聴く真由子のピアノ、良かったなぁ。最後の全員参加のセッションでは、納浩一さんと並んでベースソロのトレード。いやぁ、まだまだ麻痺が完璧に治ってるわけでもないし、それ以前にこういうの無理ぃ〜〜。もう、気合いとハッタリで乗り切るしかありません。えいやぁ〜〜〜って感じ。でも、楽しかった。


橈骨神経麻痺になって、ツアーを途中で離脱、数曲だけ参加のために、わざわざ戻ってくるだけの価値のあるコンサートでした。
卒業生がたくさん観に来てくれました。それも嬉しかった。

昨日の野外ステージでの演奏で、熱中症気味につき、早々に帰宅。シャワーを浴びて、近所に夕食を食べに。疲れているせいか、少し飲んだだけで千鳥足。久々に自宅のベッドでゆっくり寝ます。

おやすみなさい。。。





<十一日目:篠山>

自宅のベッドでゆっくり寝たので、元気です。


久々に そばよし 京橋店 にて、かき揚げそば+温泉たまご(つゆ多め)で東京駅へ。坂田明トリオ 西日本ツアーに復帰します。
新幹線で新大阪へ。そこで、こうのとり 13号 に乗り換えて、篠山口へ。この車内で食べるお弁当を楽しみにしていたんだけど、新大阪駅の売店、人気の駅弁がほとんど売り切れ。で「淡路牛弁当」になりました。まぁ、そこそこ美味い。




◇ポスター
http://plus-note.jp/REKIBUN/osyoin/sakat_TRIO.pdf

篠山口駅には、群言堂のRくんが迎えに来てくれました。上のポスターを観て、今日僕は手ぶらだし、歩いて行こうか。くらいの気持ちだったのですが、とんでもない。車で15分くらいかかるんですね。
今日の演奏会場は、篠山城大書院。

◇篠山城大書院
http://plus-note.jp/REKIBUN/osyoin_top.htm

すぐ隣に立派なホールがあるにもかかわらず、あえてこっちでやるわけですね。さすが!!!
大書院の広間の一部、畳を上げて、そこにグランドピアノを運び込み、ステージが設けられています。クーラーなんてありません。襖を取り払って風が抜けるようにして、十数台の扇風機のみ。ここに、100人を超えるお客さんが集まってくださいました。



松江でのオフ以来、4連ちゃん目の今夜。麻痺とかなんとかを超えて、もう両手が悲鳴を上げております。。。休憩時間、とにかく指先をアイシング。とにかくやりきりました。
親分もお姉さまもさすがにおつかれの様子。2ステージ終えて楽屋に戻ると燃え尽きたような顔でグッタリ。

機材を車に積み込み、スタッフの方々と記念撮影して、今晩の宿へ。
先導してくださる車は、真っ暗で細い山道を時速80キロで爆走。ひぇ〜〜、ついていけませ〜〜〜ん・・・

で、到着した古民家。

◇古民家の宿 集落丸山【築150年の丹波篠山の宿】
http://maruyama-v.jp/

真っ暗なので、周りの様子はわかりませんが、ものすごい田舎です。
そこで、とびっきり美味しいフレンチをいただきました。鹿肉、最高〜〜〜☆☆☆☆☆

◇フランス料理「ひわの蔵」
http://maruyama-v.jp/food/hiwa/

携帯は繋がりませんが、フリーのWiFiは繋がります。わけがわかりません。





<十二日目:名古屋>

篠山の山道を行って突き当たったところにある集落の古民家がそのまま宿になっている「集落丸山」。
ウグイスと烏骨鶏の大合唱で目が醒めます。ウトウトしていると、襖を隔てて隣の部屋で寝ている親分が寝返りを打った時に土間との間にある障子を蹴飛ばして「どんがらがっしゃ〜〜〜ん!!!」って大きな音。もう目が醒めちゃったので、6時半だけど、起き出して近所を散歩することに。

三方が山に囲まれた田畑と数軒の古民家。一本道は、山に吸い込まれていくように延びていて、おそらくこの先で行き止まりになるところ。
しかし朝から照りつける日差しが熱い。家の中に戻ると、もちろんエアコンなんて一切無いんだけど、開け放たれた窓から土間の方へ風がす〜っと抜けていって、とっても涼しいんですよね。よく出来ているなぁ。

布団に戻って、もう一度寝ます。




朝8時半、お姉さまの声に起こされて、皆で朝ご飯。
なんて贅沢なんでしょう。どれもとっても美味しい!!!

そのまま群言堂のお二人は、広島へ。僕らはチェックアウトの時間までゴロゴロ、お昼寝。
本当は、この更に奥にある「ろあん松田」というところでお蕎麦を食べてから出発したかったんだけど、今日はお休みとのこと。残念!

◇ろあん松田
http://maruyama-v.jp/food/roan/

荷物を車に積み込み、ご挨拶して出発。でも、すっかり頭の中が「蕎麦」になっている3人。たしか駅まで戻る途中に蕎麦屋がありましたよね。
朝ご飯を沢山いただいたので、まだお腹はそれほど空いてないけど、やっぱり蕎麦。



ところが、この店、冷房が効きすぎていて、メチャメチャ寒い。特に、古民家から降りてきたばかりの僕らにこの強力な冷房は拷問のようです。
蕎麦の味もわからず、蕎麦粉アイスクリームもキャンセルして、早々に退散。

高速を飛ばして名古屋へ向かいます。
ホテルに到着してひと休み。両腕は昨日までの4連続ライブで悲鳴を上げていますが、左手の麻痺は、もう完全に回復してきています。リハビリはお休みして、左手の4指(人差し指から小指)右手の2指(人差し指と中指)が弦との摩擦で、火傷のような打ち身のような状態になっています。これらをひたすら氷でアイシングするのです。

夕方、今夜の演奏会場、Jazz inn Lovely へ。
このツアー、これまでの演奏会場は、どちらかというと響きの多い、場所によっては残響の長い場所が多かったのですが、ここラブリーのステージは、極力響きを押さえた独特の音響であったことを改めて思い出しました。これは、ほとんどPAを使わず、ほぼ生音でツアーしてきた僕らにとっては、ちょっと試練です。昨日までも全力でやってきましたが、今日はその5割増しくらいで演奏しないと自分たちが寂しい。えぇぃ、頑張る!!!


リハーサル後、親分、お姉さまと「串かつ ラブリー」へ。
元々ラブリーの隣にあったのが、すぐ近くに移転して、ちょっとお洒落になって、お客さんも8割が若い女性。いつの間にこんな店に返信したのか・・・
おでん と 串カツ、それに白いご飯をもらって、けっこう充実した晩ご飯。

◇串かつ ラブリー
http://tabelog.com/aichi/A2301/A230103/23008370/

沢山のご来場、ありがとうございました。
今ツアーの最終公演。力一杯、おもいっきり演奏させていただきました。これまで、メンバー以外には、誰にも話していませんでしたが、左手の橈骨神経麻痺もなんとか回復。おかげさまで、初日の大津からこの名古屋まで、麻痺を理由に自分が納得できないような演奏は一度もしなかったつもり。親分やお姉さまのサポートもあり、動かないなりにちゃんと音楽が出来たと思います。

名古屋の友人達とワイワイ、打ち上げも楽しかった〜〜〜 朝4時過ぎまで・・・





<十三日目:戻り日(名古屋 → 東京)>

ちょっと気分が高揚しています。集合時間は12時。明け方寝たのに、9時過ぎには起きてしまいました。
メールで少し連絡事項などを片付け、ラブリーの駐車場へ車を取りに行って、自分の荷物を積み込み、待ち合わせ場所へ。
今日は、名古屋の友人、いづみちゃんとランチを食べに行く約束をしています。
名古屋で有名なうなぎ名店の一つ「うな富士」へ。ちょうど開店時間の11時にあわせて。




肝焼き、白焼き(肉厚でプリプリ!)、櫃まぶし。美味い!!!!

◇うな富士
http://tabelog.com/aichi/A2301/A230105/23000105/

ホテルに戻り、親分、お姉さまと合流して、さぁ、東京へ。

寝不足の僕と親分、交代で運転して、なんとかツアーの出発点、お姉さまのご自宅に到着。ここに駐めてあった親分の車から僕の荷物を降ろし、それぞれ荷物を積み込んで、ギャラの分配(このバンドは、いつもニコニコ現金精算なのです)。頑張って沢山働いたので、そこそこまとまった額をいただきましたが、このほぼ全額が "phonolite strings" CD制作関係の支払いに充てられます(とほほほ・・・) しばらくは、緊縮生活ですな。。。

ツアー中、美味しいものを沢山いただきましたが、結局とびきり「うまい!」蕎麦に出会うことはありませんでした。そこだけが欲求不満だったので、夜は、いきつけの蕎麦屋へ。
そして、大量の洗濯物。焼酎で緩んで、身体を休め、明日のライブに備えます。


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7月20日(金)

水谷浩章『phonolite strings』CD発売記念LIVE

新宿 Pit Inn (03-3354-2024)
 東京都新宿区新宿2-12-4 アコード新宿B1
 (夜の部)8:00 pm 〜 ¥3000

水谷浩章[cb] 梶谷裕子[vla] 橋本歩[vc] 平山織絵[vc] 太田朱美[fl]

詳細:
http://www.facebook.com/events/154453568022131/

PV:
http://www.youtube.com/watch?v=jYP5xpTwJi0&feature=youtu.be
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